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通関士試験の再挑戦では、勉強時間を増やす前に「前回どこで点を失ったか」を分解することが重要です。知識不足、問題形式への不慣れ、時間配分、法改正対応、学習継続のどれが原因かによって、次にやるべきことは変わります。
第59回通関士試験の全科目受験者は5,584人、合格者は777人、合格率は13.9%でした。ただし、税関は初受験者・再受験者別や学習方法別の合格率を公表していません。全国合格率だけを見て「2回目なら受かりやすい」「独学だから不利」とは判断できません。
この記事では、2026年7月23日に確認した財務省・税関の公式情報を基に、前回の得点を診断し、第60回試験に向けた学習を7ステップで組み直す方法を解説します。
通関士試験の再挑戦は「同じ勉強の延長」にしない
一度学習した経験は、用語や試験の流れを知っている点で有利です。一方、見覚えのある教材を「理解している」と思い込み、苦手な論点や通関実務を後回しにすると、前回と同じ失点を繰り返します。
再挑戦で最初に決めるのは教材や講座ではありません。次の順で現在地を確認します。
- 前回の自己採点を科目別・出題形式別に分ける
- 誤答を「知識」「読解」「手順」「時間」「法改正」に分類する
- 第60回の問題数・配点に合わせて優先順位を付ける
- 独学で直せる原因と、質問・講義・添削が必要な原因を分ける
「あと数点だった」という合計点だけでは、対策を決められません。通関士試験は、受験した全科目で合格基準を満たす必要があります。前回の弱点が1科目に集中しているのか、3科目にまたがるのかを先に把握してください。
第60回通関士試験で再受験者が確認すべき変更点
第60回試験は2026年10月4日に実施予定で、出題範囲は2026年7月1日現在で施行されている法令・告示・通達です。3科目の試験時間は第59回と同じですが、問題数と配点の内訳が変わっています。
| 科目 | 第60回の問題数・満点 | 再挑戦での注意 |
|---|---|---|
| 通関業法 | 17問・45点 | 第59回の20問・45点から問題数が減少。前年と同じ感覚で1問の重みを考えない |
| 関税法等 | 28問・60点 | 第59回の30問・60点から問題数が減少。選択式と択一式を分けて弱点を確認する |
| 通関実務 | 16問・45点 | 第59回の17問・45点から問題数が減少。申告書2問、計算・選択・択一の時間配分を第60回形式で作り直す |
第60回の通関実務では、NACCSを使用して行う輸出申告と輸入申告の問題が、第59回と同様の形式で各1問出題されます。前年の問題は重要な練習材料ですが、問題数・配点まで前年どおりと決めつけないでください。
前回の不合格原因を5分類で診断する
直近の公式問題と正答を使い、前回の誤答を次の5種類に分けます。正解した問題でも、根拠を説明できなかった問題や偶然当たった問題は「要復習」にしてください。
| 原因 | 見分け方 | 次の対策 |
|---|---|---|
| 知識不足 | 用語・要件・例外を説明できない | 該当論点だけ基本教材へ戻り、原則と例外を対で整理する |
| 読解ミス | 「正しいもの」「誤っているもの」、主体、期限を読み違えた | 設問の条件へ印を付け、誤読した語句を記録する |
| 解答手順の未定着 | 申告書・課税価格・税額計算で毎回手順が変わる | 資料確認と計算の順序を固定し、同形式を反復する |
| 時間不足 | 解ける問題を残した、見直し時間がなかった | 問題群ごとの上限時間と、後回しにする条件を決める |
| 情報更新不足 | 旧版教材の記述、法改正、出題形式の変更を見落とした | 受験年度の案内、教材の追補・正誤表、法改正資料を照合する |
誤答ノートには問題文を丸写しせず、「誤答原因」「正しい根拠」「次に同じ形式が出たときの行動」を1行ずつ残します。記録が増えすぎたら、未解決のものと再び間違えたものを優先してください。
科目別に立て直すポイント
通関業法|曖昧な選択肢を根拠まで戻す
通関業法は、正解数だけでなく、迷った選択肢の根拠を確認します。許可、欠格事由、通関業者・通関士の義務、監督処分などを、誰に対する規定か、期間や手続は何かまで説明できる状態にします。
択一式で取れていて選択式を落としているなら、複数の記述を同時に判定する力が不足しています。条文の原則だけでなく、例外と適用条件を比較してください。
関税法等|論点を手続の流れでつなぎ直す
関税法等は範囲が広いため、最初から全ページを読み直すと弱点が埋もれます。輸出入申告、課税価格、納税、減免税、保税、罰則などのまとまりごとに過去問を解き、間違えたまとまりだけ教材へ戻ります。
似た制度を混同した場合は、「対象」「要件」「期限」「効果」の4列で比較表を作ります。単語だけの暗記ではなく、どの手続のどの段階で使う規定かを説明できるか確認してください。
通関実務|知識と処理速度を別々に測る
通関実務で時間が足りなかった人は、最初から毎回100分通して解くのではなく、申告書、計算、選択式、択一式に分けて所要時間を測ります。遅い原因が資料の探し方なのか、計算手順なのか、知識不足なのかを切り分けます。
手順が安定したら、科目全体を100分で解きます。本番演習では、着手順、問題群ごとの上限時間、迷った問題を飛ばす基準、見直し時間まで固定してください。
通関士試験の再挑戦を成功に近づける7ステップ
1. 前回の答案を再現し、弱点表を作る
自己採点の記録が残っていれば、科目・出題形式・論点ごとに整理します。記録がなければ、第59回の公式問題を時間を測って解き直し、現在の実力を起点にします。
2. 第60回の形式で科目別目標を決める
公式の合格基準と、自分の学習目標は分けて考えます。ぎりぎりの基準点だけを狙うのではなく、演習時にはミスや難易度変動を吸収できる余裕を持たせます。目標値は編集部の学習管理用であり、公式基準ではありません。
3. 教材を「残す・替える・足す」に分ける
前回使った教材をすべて買い替える必要はありません。説明を理解でき、受験年度の法改正を補える教材は残します。解説を読んでも理解できない教材は替え、弱点に必要な問題演習だけを足します。
版、対応年度、追補、正誤表を確認したい人は、通関士のおすすめテキスト・問題集と選び方と通関士テキスト・問題集の組み合わせを参考にしてください。
4. 弱点補強と全範囲維持を並行する
苦手科目だけに集中すると、前回取れていた科目の知識が抜けます。週の学習を「弱点補強」と「3科目の維持」に分け、少なくとも週1回は各科目へ触れてください。
5. 誤答を翌週・翌月に解き直す
解説を読んだ直後の正解は、定着の確認になりません。翌週に同じ問題、翌月に同じ論点の別問題を解き、根拠を説明できるか確かめます。再び間違えた論点を次週の優先課題にします。
6. 模試で時間配分と意思決定を検証する
模試は順位を見るだけでなく、本番の着手順と時間配分を試す場です。受験後は得点より、時間を使いすぎた問題、飛ばすべきだった問題、見直しで直せた問題を記録します。
模試の選び方と復習方法は、通関士模試の選び方・活用法で詳しく解説しています。
7. 独学で止まる原因だけ外部支援を使う
再受験だから通信講座が必須とは限りません。教材選定、質問、通関実務の解説、進捗管理のうち、自力で解消できない機能がある場合に講座を検討します。前回の敗因と関係のない機能へ費用を払わないことが大切です。
独学を続けるか、通信講座を使うか迷う人へ
講座が補える機能と、独学で十分なケースを先に整理できます。再受験だからという理由だけで申し込まず、前回の敗因に必要な支援を確認してください。
再挑戦で教材・講座を選び直す判断基準
| 前回の主な敗因 | 優先する支援 | 確認項目 |
|---|---|---|
| 複数科目で知識不足 | 体系的な講義・基本教材 | 講義の範囲、教材見本、受講期限 |
| 特定論点だけ理解不足 | 質問・科目別教材 | 質問方法、回数、回答範囲、単科受講の有無 |
| 通関実務の手順が不安定 | 申告書・計算の演習と解説 | 演習量、添削、解説形式 |
| 時間不足・本番で崩れた | 答練・模試 | 実施時期、回数、復習資料 |
| 計画が続かなかった | 進捗管理・学習スケジュール | 週次計画、学習画面、サポート期間 |
主要講座の料金や質問回数は変更されるため、このページには固定しません。必要な機能が決まった後に、通関士通信講座おすすめ4社の比較で最新条件を確認してください。
通関士試験の再挑戦でよくある質問
2回目は何時間勉強すれば合格できますか?
財務省・税関は、再受験者の標準学習時間を公表していません。前回の得点、受験からの空白期間、弱点科目で必要時間は変わります。総時間を先に固定せず、弱点表から週単位の課題を見積もってください。
前回あと数点なら、同じ教材で大丈夫ですか?
教材の説明を理解でき、受験年度の法改正・形式変更を補えるなら継続できます。ただし、同じ論点を教材の解説を読んでも理解できない場合や、演習量が不足している場合は、教材の変更や問題集の追加を検討してください。
再受験者は通信講座を使うべきですか?
一律には決められません。学習方法別・受験回数別の公式合格率は公表されていないためです。質問先がない、通関実務の手順を直せない、計画が崩れ続けるなど、独学では解消できない原因がある場合に検討します。
過去問は何年分やればよいですか?
年数だけでなく、受験年度の法令・形式との差を確認してください。直近問題で現在地を測り、同じ論点の出題をさかのぼって反復します。古い問題は、現行法令と異なる可能性を教材の解説や追補で確認します。
模試の判定が悪かったら受験を諦めるべきですか?
模試の判定だけで決める必要はありません。科目別・形式別の失点と、本番までに改善できる課題かを見ます。残り期間で解消できない弱点が多い場合は、学習範囲と時間配分を現実的に組み直してください。
まとめ|前回の失点を次の学習計画へ変える
通関士試験の再挑戦で重要なのは、前回と同じ勉強を長く続けることではありません。誤答を知識、読解、手順、時間、情報更新に分け、第60回の問題数・配点に合わせて対策を組み直すことです。
- 公式問題で科目別・形式別の弱点を再現する
- 教材を残す・替える・足すに分ける
- 弱点補強と3科目の維持を並行する
- 誤答を時間を空けて解き直す
- 模試で本番の時間配分を検証する
- 独学で止まる原因だけ外部支援を使う
独学を続ける人は、通関士試験の独学ガイドで学習の全体像を確認してください。講座の必要性を判断したい人は、先に独学と通信講座の判断基準を整理し、必要な場合だけ講座比較へ進みましょう。


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