貿易実務検定®は、貿易の基礎から判断業務までをC級・B級・A級の3段階で測る検定です。未経験者や初学者はC級、基礎を学んだ人や実務経験者はB級、判断を伴う実務まで扱う人はA級を目安にすると選びやすくなります。
受験資格による制限はなく、C級を飛ばしてB級やA級を受験することも可能です。ただし、級が上がるほど出題範囲だけでなく、事例を読み取って判断する力が重視されます。この記事では、2026年7月15日時点の公式情報をもとに、試験科目・合格基準・合格率・受験料・向いている人を同じ基準で比較します。
先に結論
- C級:貿易を初めて学ぶ人、定型業務に必要な基礎を身につけたい人
- B級:C級の次へ進む人、実務の幅を広げたい人、就職・転職で中級知識を示したい人
- A級:複数の条件を整理し、判断を伴う貿易実務を担う人
C級を独学で受けると決めた方は、C級の勉強時間と8週間スケジュールで、試験日から学習量を逆算できます。
貿易実務検定C級・B級・A級の違いを一覧比較
| 比較項目 | C級 | B級 | A級 |
|---|---|---|---|
| 公式のレベル目安 | 定型業務に必要な知識 概ね実務1〜3年程度 |
貿易実務経験1〜3年程度 中堅層 |
実務3〜4年以上 判断業務ができる水準 |
| 試験科目 | 貿易実務 貿易実務英語 |
貿易実務 貿易実務英語 貿易マーケティング |
貿易実務 貿易実務英語 貿易マーケティング |
| 満点 | 200点 | 300点 | 450点 |
| 合格基準 | 160点(80%)を基準 | 210点(70%)を基準 | 回ごとに定められる |
| 直近公表回の合格率 | 63.9% 第113回・2026年5月 |
48.5% 第81回・2026年3月 |
31.7% 第24回・2025年10月 |
| 受験方式 | Web試験 | Web試験 | 会場試験 |
| 受験料(税込) | 6,270円 | 7,480円 | 12,760円 |
| 向いている人 | 初学者、定型業務の基礎を確認したい人 | C級合格者、実務知識を一段深めたい人 | 実務経験があり、判断力を証明したい人 |
出典:日本貿易実務検定協会®「各級の詳細」「受験者数と合格率」。合格基準は試験委員長が定めるため、公式表記に合わせて「基準」としています。受験料・方式は2026年7月15日確認。
C級は貿易の基礎を固めたい人向け
C級は、貿易取引の流れ、契約、運送、保険、代金決済、通関など、定型業務に必要な基礎知識を問う級です。科目は「貿易実務」と「貿易実務英語」の2科目で、合計200点中160点が合格基準です。
直近で結果が公表されている第113回(2026年5月)は、実受験者1,710人、合格者1,092人、合格率63.9%でした。合格率だけを見れば3級の中で最も高いものの、8割を基準とするため、用語の暗記だけでなく基本問題を安定して取る準備が必要です。
C級を選びやすい人
- 貿易を初めて学ぶ
- 貿易事務への就職・異動に備えたい
- B級へ進む前に基礎を体系的に確認したい
- 自宅で受験できるWeb試験から始めたい
英語科目で50点中40点以上を取りながら不合格だった場合、申請により次回から1年間、C級の貿易実務英語が免除されます。自動適用ではなく、申込み時に免除番号の申告が必要です。
B級は実務知識を一段深めたい人向け
B級は、C級の内容を土台に、貿易実務英語と貿易マーケティングを含む3科目で中級知識を問います。合計300点中210点が合格基準です。直近公表の第81回(2026年3月)は、実受験者703人、合格者341人、合格率48.5%でした。
C級より合格基準の割合は低いものの、範囲が広がり、英語は100点、マーケティングは50点へ増えます。「C級に合格したから短期間で取れる」と決めつけず、弱点科目を含めた計画が必要です。
B級を選びやすい人
- C級の基礎を学び終えた
- 貿易実務の知識を仕事で使っている
- 英語やマーケティングまで含めて理解を深めたい
- 履歴書で中級レベルの知識を示したい
マーケティング・ビジネス実務検定®のいずれかの級に合格している人は、申請によりB級の貿易マーケティングが次の3回分免除されます。対象者は受験申込み時に免除番号を入力してください。
B級を目指す場合は、貿易実務検定B級の勉強時間と3か月の学習計画で、公式基準ではないことを明示した現実的な計画例を確認できます。
A級は判断を伴う貿易実務を扱う人向け
A級は、公式に「貿易実務において判断業務を行うことができる実力」を想定する最上位級です。B級の知識に加え、事例を読み取り、状況に応じて判断する問題が増えます。3科目合計450点で、合格基準は試験の回ごとに定められます。
直近公表の第24回(2025年10月)は、実受験者101人、合格者32人、合格率31.7%でした。受験者層や試験条件が異なるため、C級・B級の合格率と単純に倍率換算することはできません。A級は現在、年1回の会場試験で、2026年は10月4日に東京・大阪で実施予定です。
A級を選びやすい人
- B級相当の知識を身につけている
- 貿易実務の経験があり、判断業務まで担っている
- 事例問題を使って実務知識を深めたい
- 最上位級を中長期の目標にしたい
A級は受験資格上、C級・B級合格が必須ではありません。ただし、出題範囲と求められる判断力を考えると、初学者が最初に選ぶ級ではありません。
合格率だけで難易度を決めない
直近公表回の合格率はC級63.9%、B級48.5%、A級31.7%です。ただし、試験回、受験者層、合格基準が異なるため、「A級はC級の約2倍難しい」といった単純比較はできません。
難易度の差は、主に次の3点で考えると実態に近づきます。
- 出題範囲:B級から貿易マーケティングが加わり、英語の配点も増える
- 求められる思考:A級では短答だけでなく、事例を踏まえた判断力が問われる
- 合格基準:C級・B級は得点率の基準が示され、A級は回ごとに定められる
協会は級別の標準勉強時間を公表していません。必要時間は、貿易実務の経験、英語力、学習間隔によって変わります。根拠のない一律の時間ではなく、公式問題集で現在地を確認して計画を調整する方が確実です。
C級から順番に受けるべき?
初学者はC級から進むのが基本ですが、全員が必ずC級から受ける必要はありません。すでに貿易実務を学んでいる人や実務経験者は、B級の出題範囲を確認したうえでB級から受験できます。
| 現在の状況 | 選び方の目安 |
|---|---|
| 完全な初学者 | C級で用語と取引の流れを固める |
| C級を学習済み・合格済み | B級へ進み、英語とマーケティングを含めて深める |
| 実務経験があり基礎に不安がない | B級の過去問題で判断し、必要なら直接受験する |
| 判断業務を担う実務経験者 | B級相当の土台を確認してA級を検討する |
C級からB級までの受験順序や同時受験を検討している人は、C級からB級へのロードマップで進め方を整理してください。
2026年度の試験日程と受験方式
2026年7月15日時点で公式に案内されている今後の日程は次のとおりです。日程は変更される場合があるため、申込み前に必ず公式ページを確認してください。
| 級 | 試験日 | 方式 | 申込期間 |
|---|---|---|---|
| A級(第25回) | 2026年10月4日 | 東京・大阪の会場 | 2026年7月16日正午〜9月18日正午 |
| C級(第115回) | 2026年10月4日 | Web試験 | 2026年7月16日正午〜9月18日正午 |
| C級(第116回) | 2026年12月6日 | Web試験 | 2026年9月24日正午〜11月24日正午 |
| B級(第83回) | 2026年12月13日 | Web試験 | 2026年9月24日正午〜12月1日正午 |
C級・B級のWeb試験は、自宅などからPC・タブレット・スマートフォンで受験します。通信環境や端末条件も含め、日本貿易実務検定協会®の試験日程と受験要項を申込み前に確認してください。
級を決めた後の進め方
- 公式の出題範囲を確認する:受験級で何を問われるかを先に把握する
- 最新版の教材を選ぶ:古い版や対応級の違う教材を避ける
- 公式問題集で現在地を測る:得点だけでなく、弱い科目を確認する
- 試験日から逆算する:復習と問題演習の期間まで確保する
教材の版・ISBN・組み合わせは、貿易実務検定C級・B級のおすすめテキスト・問題集で確認できます。C級とB級をまとめて計画したい場合はロードマップ、B級の期間配分まで知りたい場合はB級勉強時間の記事へ進むと、情報が重複しません。
よくある質問
未経験でもB級から受験できますか?
受験資格の制限はないため可能です。ただし、B級はC級の基礎を前提に範囲が広がります。まずB級の公式問題や出題範囲を確認し、基礎が不足していればC級教材から補うのが現実的です。
C級とB級は同時に受験できますか?
日程が重ならず、各回の申込み条件を満たせば受験できます。ただし、毎回同じ組合せで実施されるわけではありません。最新の日程と試験時間を公式サイトで確認してください。
就職や転職では何級から評価されますか?
企業や職種によって評価は異なり、合格だけで採用が保証されるものではありません。初学者はC級で基礎学習を示し、貿易事務など実務との関連を強く示したい場合はB級を目標にする考え方があります。A級は、実務経験と組み合わせて判断力を示す位置づけです。
合格率が高いC級は簡単ですか?
「準備なしで合格できる」という意味ではありません。C級は200点中160点が基準で、貿易実務と英語の両方を学ぶ必要があります。直近合格率は参考にしつつ、公式問題集の得点で判断してください。
まとめ:現在地と目的に合う級を選ぶ
貿易実務検定は、C級・B級・A級で求める知識と判断力が明確に分かれています。初学者はC級、基礎を終えた人や実務経験者はB級、判断業務を担う経験者はA級が目安です。
級を決めたら、合格率の印象だけで教材を選ばず、公式の出題範囲と最新日程を確認してください。C級・B級の教材選びは教材記事、C級からB級への進め方はロードマップ、B級の具体的な計画は勉強時間記事へ分けて確認すると、次にやることが明確になります。
公式情報源
- 日本貿易実務検定協会®:C級の詳細
- 日本貿易実務検定協会®:B級の詳細
- 日本貿易実務検定協会®:A級の詳細
- 日本貿易実務検定協会®:受験者数と合格率
- 日本貿易実務検定協会®:科目免除について
- 日本貿易実務検定協会®:試験日程・申込み情報
本記事は2026年7月15日に公式情報を確認しました。試験日程・受験料・制度は変更される場合があります。申込み時は必ず最新の受験要項をご確認ください。

