通関士試験の申告書問題対策|NACCS輸出・輸入の解き方

輸出入貨物とNACCS申告画面で通関士試験の申告書問題を表した図 通関実務

通関士試験の申告書問題は、問題文の指示に従い、品目分類・申告価格・課税価格をNACCS形式の画面へ落とし込む問題です。第60回は、輸出申告と輸入申告が各1問、合計20点で出題されます。

この記事では、2026年7月1日現在の第60回受験案内、税関の申告書記載方法、第59回公式問題・正答を基に、解く順序、20万円以下の品目のまとめ方、10桁目の「X」「E」、見直し方を整理します。

先に確認すること第60回の公式情報
試験時間13時50分から15時30分までの100分
通関実務の配点45点
申告書問題通関書類の作成要領が20点・2問
形式NACCSを使う輸出申告・輸入申告を各1問。第59回と同様の形式
法令基準日2026年7月1日現在で施行されている法令・告示・通達

第60回の合格基準点は受験案内で固定されていません。第59回は結果公表時に各科目60%以上と示されましたが、それを第60回の事前確定基準として扱わず、申告書20点のうち再現できる欄を増やす学習に集中しましょう。

申告書問題で問われる3つの処理

申告書問題は、申告画面を一から作る記述式ではありません。仕入書、問題文、別冊の品目表・関税率表解説を読み、指定されたNACCS画面の空欄に入る品目番号や金額を選ぶマークシート問題です。

  1. 品目分類:商品説明と別冊から統計品目番号・品目番号を決める
  2. 金額計算:問題文の条件を反映して申告価格・課税価格を求める
  3. 欄の編成:同じ番号や少額品目を指示どおりにまとめ、金額順に並べる

第59回は輸出申告が5点、輸入申告が15点でした。第60回も申告書2問の合計20点は公表されていますが、輸出と輸入の内訳は受験案内だけでは確定しません。前年の内訳をそのまま固定せず、両方を練習してください。

最初に問題文の指示を読む

仕入書だけを先に読んでも、何を計算し、どの単位で欄をまとめるかは決まりません。最初に設問と「記」の条件を読み、解答対象を確認します。

  • 品目番号だけを答えるのか、課税価格も答えるのか
  • 同じ品目番号を先にまとめる条件があるか
  • 20万円以下の品目をどのようにまとめるか
  • 10桁目を「X」「E」に変える条件があるか
  • 欄を申告価格の大きい順に並べるか
  • どの週の実勢外国為替相場を使うか
  • 加算・不算入となる費用が指定されているか

問題文に書かれたまとめ方は、その年度・その設問の解答条件です。「インボイスは常にB/Lより法的に優先する」といった独自ルールを足さず、設問、仕入書、別冊にある事実を突き合わせます。

共通の解答手順は5段階

1.各商品の分類候補を決める

仕入書の商品名、材質、用途、成分、加工状態などを拾い、別冊の品目表と関税率表解説を使って分類します。商品名の印象だけで決めず、問題文が追加した条件も分類根拠へ反映します。

2.同じ番号の商品を先にまとめる

第59回の輸出・輸入問題では、同じ統計品目番号または品目番号の商品を先に一つへまとめる指示がありました。少額品目の判定を先にすると、同じ番号の合算後に20万円を超える組み合わせを誤るため、順序を守ります。

3.番号ごとの申告価格を求める

輸出では問題が求めるFOB価格、輸入では課税価格に相当する価格を、指定された為替相場と費用条件で計算します。金額を書いた分類一覧を作ると、20万円判定と最終の並べ替えを同じ表で処理できます。

4.20万円以下の番号を設問どおりに処理する

第59回では、番号ごとの申告価格が20万円以下のものを対象に、輸出では一括、輸入では有税品と無税品に分けて一括する指示でした。複数番号をまとめた欄は10桁目を「X」、一欄が一品目だけで20万円以下なら「E」とします。

5.合計額の大きい順に欄へ入れる

分類と集約が終わった後、番号ごとの申告価格を大きい順に並べ、NACCS画面の1欄目から入力します。先に欄番号を書き込まず、最後に並べ替える方が修正を減らせます。

20万円以下の「X」「E」を整理

場面第59回公式問題の処理10桁目
輸出:異なる番号の20万円以下を複数まとめるまとめる前で申告価格が最も大きい品目の番号を使うX
輸入:有税の20万円以下を複数まとめる最も高い関税率の品目。同率なら申告価格が最も大きい品目の番号を使うX
輸入:無税の20万円以下を複数まとめる申告価格が最も大きい品目の番号を使うX
輸出・輸入:一欄に一品目だけで20万円以下その品目の番号を使うE
同じ番号の商品が複数ある同じ番号での取りまとめを先に行う合算後の条件で判断

ここでの20万円は、第59回試験問題が指定した「申告欄の取りまとめ」の基準です。課税価格1万円以下の少額貨物免税や、1品目の課税価格が20万円以下の場合にAir Waybill等で申告できる制度とは別です。金額が同じ・近い制度を混同しないでください。

輸出申告はFOB価格と統計品目番号を結ぶ

税関の輸出申告書記載方法では、一般的な商品名、輸出統計品目表の6桁番号と3桁の細分番号、統計単位・数量、円建てのFOB価格などを記載します。試験では、これらのうち設問が空欄にした項目を求めます。

第59回の輸出申告問題は、EXW価格に国内運賃や船積費用を反映し、輸出港から輸入港までの海上運賃・保険料を区別する条件でした。貿易条件の名称だけで計算せず、問題文が列挙した費用と割合を一つずつ反映してFOB価格を作ります。

  1. 各商品の統計品目番号を決める
  2. 同じ番号の商品を合算する
  3. 指定為替相場で円換算し、設問の費用条件からFOB価格を求める
  4. 20万円以下を一括し、代表番号とX・Eを決める
  5. 申告価格の大きい順に欄へ配置する

輸入申告は分類と課税価格を分けて確認

税関の輸入(納税)申告書記載方法では、商品名、税表番号・統計細分・税表細分、統計単位・数量、CIF価格、適用税率、関税額、内国消費税などを記載します。第59回試験では品目番号に加え、各欄の課税価格も解答対象でした。

分類を正しくても、加算要素を別商品へ配賦したり、本邦で作成された役務と本邦以外で作成された役務を取り違えたりすると課税価格を誤ります。分類表と価格表を分け、費用ごとに「対象商品」「算入・不算入」「金額」を書きます。

  1. 各商品の品目番号と関税率を決める
  2. 同じ番号の商品を合算する
  3. 仕入書価格に算入する費用だけを商品別に加える
  4. 指定為替相場で本邦通貨に換算する
  5. 20万円以下を有税・無税に分け、代表番号とX・Eを決める
  6. 合計額の大きい順に品目番号と課税価格を対応させる

第59回の公式正答では、輸入申告の5欄の課税価格が1,665,000円、1,245,000円、1,200,000円、337,500円、180,000円と示されています。演習後は品目番号だけでなく、欄の順序と金額の組み合わせまで公式正答で照合します。

資料ごとの役割を混ぜない

資料主に拾う情報確認時の注意
設問・記載事項解答対象、まとめ方、為替、費用、申告日その問題に固有の条件を最優先する
仕入書商品名、数量、単価、総額、貿易条件、売手・買手追加条件で商品性状が補われることがある
別冊品目表、税率、関税率表解説見出しだけでなく注・解説も読む
NACCS画面解答する欄と入力順番号と金額の対応をずらさない
公式正答品目番号、課税価格、配点誤りを分類・価格・集約・転記に分ける

実務上の輸入申告項目には、輸入者、貨物の品名・数量・価格、原産地・積出地、船舶・航空機、蔵置場所、国内運送先などがあります。2025年10月12日から追加された国内運送先や通信販売貨物に関する項目もありますが、試験では各年度の受験案内と問題画面に示された範囲を解きます。

時間配分は過去問の実測で決める

税関は、申告書2問へ何分使うかという標準時間を公表していません。「合格者は45~60分」と固定せず、100分の公式問題を通して自分の実測値を取ります。

  1. 1回目:時間を止めず、根拠を書きながら正確に解く
  2. 2回目:分類、価格計算、集約、転記の区間別に時間を測る
  3. 3回目:通関実務全体を100分で解き、他の計算・選択問題との配分を確認する
  4. 復習:誤答を知識不足、条件の読み落とし、計算、欄ずれに分類する

申告書を先に解くか後に解くかも公式ルールではありません。年度別問題を2通りの順序で解き、総得点、見直し時間、欄ずれの数を比較して決めます。

失点しやすい7つの確認点

  • 同じ品目番号の合算より先に20万円判定をしていないか
  • 輸入の20万円以下を有税・無税に分けたか
  • 有税品の代表番号は最高税率、同率なら最大価格で選んだか
  • 複数品目の集約はX、単独の少額品目はEと区別したか
  • 為替相場の対象週を申告日だけで早合点していないか
  • 費用の対象商品と算入可否を分けたか
  • 最後に申告価格の大きい順へ並べ替えたか

マークシートでは、第59回の第3問から第7問のように、選んだすべてが正解した場合だけ得点になる設問もあります。一方、申告書問題は公式配点表で各欄に点が割り当てられています。途中で一つ迷っても、残りの欄まで放棄せず解答します。

まとめ|分類・価格・集約・並べ替えを分ける

第60回の申告書問題は、NACCS形式の輸出申告と輸入申告が各1問、合計20点です。まず設問の指示を読み、分類、同一番号の合算、申告価格・課税価格の計算、20万円以下の処理、金額順の並べ替えを別工程として進めます。

特に、20万円基準は第59回問題が定めた申告欄の集約条件であり、1万円以下の免税など別制度と混同しないことが重要です。第59回の公式問題と正答を使い、品目番号と金額の対応まで再現してください。

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