第60回通関士試験「関税法等」解答・全28問解説

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第60回通関士試験「関税法等」の全28問について、資格コンパスの独自解答と判断根拠を整理しました。問題冊子の順に、穴埋め、複数選択、択一を解説します。

掲載しているのは、税関が公開した問題と関係法令を基に資格コンパスが作成した独自解答です。税関の公式正答が公表されていないため、自己採点の参考として利用し、公式正答が公表された場合は必ず公式情報を優先してください。

先に解答一覧

  • 第1問~第5問:4・14・1・10・9/7・4・2・10・15/8・14・3・11・9/10・5・14・9・13/13・4・8・7・11
  • 第6問~第17問:3・4・5/1・3・4/1・3/3・5/3・4・5/2・3・5/2・3/2・4/2・5/1・2・3/1・3・4/2・4
  • 第18問~第28問:5/5/4/5/3/5/5/4/4/2/4

第60回通関士試験「関税法等」の解答一覧

問題資格コンパスの解答形式
14・14・1・10・9穴埋め
27・4・2・10・15穴埋め
38・14・3・11・9穴埋め
410・5・14・9・13穴埋め
513・4・8・7・11穴埋め
63・4・5複数選択
71・3・4複数選択
81・3複数選択
93・5複数選択
103・4・5複数選択
112・3・5複数選択
122・3複数選択
132・4複数選択
142・5複数選択
151・2・3複数選択
161・3・4複数選択
172・4複数選択
185誤りを選択
195択一
204誤りを選択
215択一
223択一
235択一
245択一
254択一
264択一
272誤りを選択
284誤りを選択

第6問から第17問は、正しい選択肢をすべて選べた場合にのみ得点されます。自己採点では部分点を見込まず、選択肢の組合せまで確認してください。

第1問~第5問の解説|条文・関税率表の穴埋め

第1問:税関事務管理人

解答は4・14・1・10・9です。税関長が届出を求める期限は60日を超えない範囲で定め、指定できるのは特定事項の処理について便宜を有する者です。特殊関係は議決権付き株式の50%以上を直接所有する関係や、法令上認められた共同経営者である関係が対象です。

関税法第7条第3項の教示の求めは、税関事務管理人を定める必要がある「税関関係手続」から除かれます。数値だけでなく、指定対象と手続除外をセットで覚える問題です。

第2問:輸入許可前引取り

解答は7・4・2・10・15です。許可前引取りは特例申告に係る貨物を除き、申告税額について正当な税額を決められない場合の担保額は原則110%です。長期間未許可として確認する目安は原則3月です。

課税物件の確定時は輸入申告の時。更正の請求は、許可前引取り承認日の翌日から5年を経過する日と輸入許可日のいずれか遅い日までです。承認日と輸入許可日を取り違えないことがポイントです。

第3問:保税蔵置場の許可要件

解答は8・14・3・11・9です。許可を判断するのは税関長です。申請者が法人なら役員も対象に含め、関税法その他の法令を守るために必要な業務の手順及び体制を規則に定めます。

許可を受けようとする場所の位置または設備が保税蔵置場として不適当な場合も、不許可となり得ます。「関税法だけ」ではなく「その他の法令」まで含む点に注意します。

第4問:加工・修繕減税、特定用途免税、再輸出免税

解答は10・5・14・9・13です。加工・修繕のため輸出された貨物の再輸入減税は輸出許可の日から1年以内です。特定用途免税では、慈善・救じゅつのために寄贈された給与品や、社会福祉事業を行う施設に寄贈され直接社会福祉の用に供される物品などが対象となります。ここでは、輸入許可の日から2年以内に用途外使用されないものであることが問われています。

試験品の再輸出免税は輸入許可の日から1年以内の輸出が原則です。3制度の起算日と期間を横並びで区別すると解きやすくなります。

第5問:関税率表の法定定義

解答は13・4・8・7・11です。空欄は順にプラスチック、毛皮、砂糖、ゴム、都市廃棄物です。

日常語の意味ではなく、関税率表の類注・備考に置かれた定義を再現する問題です。第39類のプラスチック、第43類の毛皮、砂糖を加えたもの、第40類のゴム、都市廃棄物の構成物を結び付けます。

第6問~第17問の解説|複数選択

第6問:課税物件の確定時期

正しいものは3・4・5です。保税展示場で展示館建設に使う機械は展示場に入れることの承認時、特定保税運送で7日以内に到着しない貨物は発送時、税関に提示されないまま輸入された郵便物は輸入時の現況で課税物件を確定します。

  • 1が誤り:蔵入承認貨物は、亡失・滅却時ではなく蔵入承認時が基準です。
  • 2が誤り:蔵入承認貨物を輸入する場合の基準時を輸入許可時とする部分が誤りです。

第7問:無償提供物品・役務の加算

正しいものは1・3・4です。買手が無償・値引き提供する物品や役務は、一般的な競争条件で取得するときの通常費用を基礎にします。取得のため代理人へ払う手数料や、提供のための運賃・保険料も通常費用に含めます。

  • 2が誤り:特殊関係の影響を受けた価格を、そのまま通常要する費用にはできません。
  • 5が誤り:生産ロスを見込んだスペア部品等も提供物品の費用に含め、除外しません。

第8問:関税額の確定と納付

正しいものは1・3です。特例申告書は、輸入許可日の属する月の翌月末日までに提出します。特例申告貨物以外の申告納税方式の貨物は、輸入申告に併せて納税申告を行うのが原則です。

  • 2が誤り:特例申告貨物の更正の請求は、輸入許可の日から5年以内ではなく、原則として特例申告書の提出期限から5年以内です。
  • 4が誤り:延滞税を賦課課税方式で確定するとする部分が誤りです。
  • 5が誤り:期限後に初めて行うのは特例申告であり、先行申告を直す修正申告ではありません。

第9問:納期限と法定納期限

正しいものは3・5です。過少申告加算税は、賦課決定通知書が発せられた日の翌日から起算して1月を経過する日までに納付します。賦課課税方式の郵便物は、原則として名宛人へ交付された日が延滞税計算上の法定納期限です。

1は許可前に修正申告した場合の納期限、2は許可後の修正申告額に対する納期限延長、4は許可前引取り貨物の法定納期限の起点を、それぞれ取り違えています。

第10問:輸出申告と輸出者の記帳

正しいものは3・4・5です。税関長は貨物の種類・価格を考慮して不要な申告事項を省略させることができます。数量は財務大臣が定める単位による正味数量、価格は本邦の輸出港におけるFOB価格です。

  • 1が誤り:指定場所以外で検査を受けるには税関長の許可が必要ですが、許可を受ける相手は「輸出申告をした税関長」ではなく、検査を受けようとする貨物が置かれている場所を所轄する税関長です。
  • 2が誤り:輸出者の帳簿・書類保存期間を7年とした点が誤りです。

第11問:輸入申告と原産地証明

正しいものは2・3・5です。EPAの便益を受ける貨物は、課税価格の総額が20万円以下なら原則として原産品証明書類の提出を省略できます。EPA以外の条約便益に使う原産地証明書の記載・証明要件、特例輸入者が搬入前申告を行う時点の積荷情報要件も正しい記述です。

  • 1が誤り:商業貨物を含む郵便物の輸入申告要否で用いる金額を30万円とした点が誤りです。
  • 4が誤り:すべての輸入者が保税地域の所在地に関係なく任意の税関長へ申告できるわけではありません。

第12問:保税地域の確認義務と改善命令

正しいものは2・3です。保税地域から外国貨物を出す際、管理者は必要な許可・承認・届出があることを確認します。保税蔵置場の業務が法令どおり行われていないとき、税関長は必要な限度で業務改善措置を命じられます。

  • 1が誤り:指定保税地域の規則変更を必ず命じるとした点が誤りです。
  • 4が誤り:明白な証拠があることを理由に、意見聴取・釈明の機会を省略できません。
  • 5が誤り:輸入許可済みであることだけを理由に確認義務がなくなるわけではありません。

第13問:保税運送

正しいものは2・4です。取締り上支障がなければ、税関長は1年の範囲で指定する期間内に発送される外国貨物の運送を一括承認できます。特定保税運送貨物が発送翌日から7日以内に到着しない場合は、法定の例外を除き特定保税運送者から直ちに関税を徴収します。

  • 1が誤り:税関長が指定した場所までの運送でも、当然に承認不要とはなりません。
  • 3が誤り:仮陸揚貨物を外国貨物のまま運送できる範囲を狭く限定し過ぎています。
  • 5が誤り:一定のコンテナー詰貨物でも申告価格の記載省略が認められる場合があります。

第14問:特例輸入者・特定輸出者

正しいものは2・5です。特定輸出者の法令遵守規則には、法令違反が生じた場合の対処措置を定めます。期限内特例申告書の納期限を延長する場合、関税保全に必要なら税関長は関税額の全部または一部に相当する担保を命じられます。

  • 1が誤り:特定輸出者が依頼する通関業者を認定通関業者に限定していません。
  • 3が誤り:特例申告の対象外となる貨物があり、種類を問わず利用できるわけではありません。
  • 4が誤り:20万円以下のEPA便益貨物について一律に保有記載を求める整理ではありません。

第15問:特恵関税制度

正しいものは1・2・3です。蔵入承認を受ける貨物は原則として承認申請時に特恵原産地証明書を提出します。許可前引取りを条件に税関長の承認を受けた場合は輸入申告時の提出を猶予でき、特例申告貨物は一定の場合を除いて証明書提出を要しません。

  • 4が誤り:不当廉売関税が課されることだけで特恵関税の適用が排除されるわけではありません。
  • 5が誤り:第三国材料を用いても、原産地規則を満たせば特恵受益国原産品となる場合があります。

第16問:関税の納税義務

正しいものは1・3・4です。特定用途免税品を輸入許可から2年以内に用途外使用のため譲渡したときは譲渡者が納税義務を負います。委託を受けた関税を期限までに完納しない日本郵便からの徴収、委託者を明らかにできない通関業者の連帯納付義務も正しい記述です。

  • 2が誤り:用途外使用時の差額関税を、常に輸入許可を受けた者から徴収するとした点が誤りです。
  • 5が誤り:再輸出期限を経過した日の所有者を一律に納税義務者とする記述ではありません。

第17問:輸入承認と輸入割当て

正しいものは2・4です。税関長は特に必要があると認めるとき、1月以内で輸入承認の有効期間を延長できます。輸入割当ては原則数量で行いますが、数量によることが困難・不適当な場合は価額によることができます。

  • 1が誤り:仮陸揚げを本問の輸入承認対象とする点が誤りです。
  • 3が誤り:特定有害廃棄物等について必要なのは輸入承認であり、輸入割当てではありません。
  • 5が誤り:輸入承認が必要なのは輸入割当品目だけではありません。

第18問~第28問の解説|択一

第18問:輸出通関

誤っているものは5です。輸出申告貨物の検査は、必ず保税地域へ搬入した後でなければ行えないわけではありません。輸出申告の時期・場所や検査場所には例外があるため、「常に搬入後」とする断定が誤りです。

ATAカルネによる職業用具の一時輸出、航空貨物の簡易な申告書類、確認書類の提出要求、特定輸出者の船名変更手続に関する1~4は正しい記述です。

第19問:輸入通関

正解は5です。輸入申告書には、税関長が不要と認める場合を除き、通信販売で購入され、販売者または委託を受けた仕出人から日本へ発送された貨物かどうかを記載します。

原産地表示がないだけで直ちに輸入不許可となるわけではなく、税関事務管理人の解任も届出対象です。マニフェスト申告で不適格貨物の混入が継続すれば利用を見直す対象となり、特例申告貨物でも他法令の許可・承認等の確認は必要です。

第20問:加算税

誤っているものは4です。隠蔽した事実に基づく税額部分には重加算税を課しますが、隠蔽していないことが明らかな事実に基づく税額まで、過少申告加算税から一律に重加算税へ置き換えるわけではありません。

加算税の計算基礎額・徴収額の端数処理、調査の事前通知前に自主的に行った修正申告、期限から1月経過後の特例申告に対する無申告加算税の1・2・3・5は正しい記述です。

第21問:関税の軽減・免除・払戻し

正解は5です。品質が契約内容と相違し、返送がやむを得ない輸入貨物は、輸入時の性質・形状を変えず、輸入許可の日から6月以内に保税地域へ入れるなどの要件を満たせば、違約品等の再輸出に係る戻し税の対象です。

許可後も保税地域に置かれた貨物が災害で滅失した場合の払戻し、承認工場での製造要件、外国元首の随員の免税、輸出貨物製造用原料品の期間について、1~4は要件を取り違えています。

第22問:課税価格に含める運賃・費用

正解は3です。運送契約後、輸出者・輸入者の責めに帰し難い理由で予定の運送方法・経路を使えず、実際の運賃等が通常必要な額を著しく超えた場合は、通常必要な輸入港までの運賃等を用います。

積込み前の一時保管料、運送方法変更費用、買手が無償提供した容器費用、仲介手数料について、1・2・4・5は課税価格への算入・不算入を逆にしています。

第23問:輸出許可・承認

正解は5です。輸出貿易管理令別表第1の16項貨物を別表第3の地域へ輸出する場合でも、経済産業大臣から許可申請をすべき旨の通知(インフォーム)を受けたときは、輸出許可が必要です。

重要文化財、政府機関の輸出、無承認輸出への制裁、国際競技後に返送する銃砲については例外や別の手続があり、1~4のように整理できません。

第24問:関税法上の不服申立て

正解は5です。特許権侵害物品に該当すると認定した旨の通知は、関税法第93条が裁決前置を求める通知として列挙したものに含まれないため、審査請求の裁決を経ずに取消訴訟を提起できます。

4は、関税法第11章の犯則事件の調査・処分に係る処分まで再調査請求の対象に含めた点が誤りです。1は再調査請求で関税等不服審査会への諮問を必須とし、2は審査請求をできる期間の書き方を誤り、3は全部取消しでも諮問が必須とした点が誤りです。

第25問:関税法の罰則

正解は4です。保税蔵置場の業務を法令どおり行わず業務改善命令を受け、その命令に違反した者は処罰対象となり得ます。

無許可輸入には法人への両罰規定があり、輸入してはならない貨物の輸入は未遂も処罰対象です。犯罪に使われた船舶の没収も、犯人以外の所有物なら常に除外されるわけではありません。1・3・5はこれらを否定しているため誤りです。

第26問:NACCSで処理できる手続

正解は4です。指定保税地域で輸出しようとする貨物の見本展示を行うための許可申請は、NACCSを使用して処理できます。

通関業許可申請の添付、修正申告と更正請求、通関士による審査・記名と申告入力、外国貨物廃棄届について、1・2・3・5はNACCS処理の可否や通関士の役割を取り違えています。

第27問:輸入してはならない貨物

誤っているものは2です。意匠権・商標権を明らかに侵害すると思われる貨物でも、認定手続を経ずに直ちに没収・廃棄し、または輸入者へ積戻しを命じることはできません。

拳銃部品の輸入禁止、著作権侵害疑義貨物の認定手続時の通知、画像情報の提供、特許権者の損害を担保する供託命令に関する1・3・4・5は正しい記述です。

第28問:不当廉売関税

誤っているものは4です。指定貨物と性質・形状が近似し用途が直接競合する貨物への迂回防止措置でも、不当廉売関税に相当する額を超える関税を課せるわけではありません。

不当廉売の定義、輸出取止めの約束、調査開始60日後以降の暫定措置、現実の不当廉売差額を超えて納付した額の還付請求に関する1・2・3・5は正しい記述です。

関税法等で復習したい6つの論点

  1. 時点と期限:課税物件の確定時、納期限、法定納期限、更正請求期限を分ける。
  2. 申告制度:通常申告、特例申告、許可前引取りを混同しない。
  3. 課税価格:現実支払価格への加算と、通常必要な運賃を使う例外を整理する。
  4. 保税制度:搬出時確認、保税運送、一括承認、改善命令の主体と効果を確認する。
  5. 減免税・原産地:起算日、期間、用途、証明書提出時期を制度ごとに比較する。
  6. 不服申立て・罰則:対象外処分、裁決前置、未遂・両罰規定を条文単位で確認する。

3科目の解答一覧は、第60回通関士試験の独自解答・全問解説で確認できます。通関業法の全17問解説、通関実務の全16問解説も科目別に整理しています。試験後の日程は、第60回通関士試験後の情報まとめをご覧ください。


出典・確認先(2026年10月8日確認)
税関「第60回通関士試験の試験問題について」
税関「関税法等」問題PDF
e-Gov法令検索「関税法」
e-Gov法令検索「関税定率法」
e-Gov法令検索「関税暫定措置法」
e-Gov法令検索「外国為替及び外国貿易法」
税関「関税法基本通達」

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