関税法等は、条文を最初から順番に暗記するより、「貨物が到着してから輸入許可を受け、関税を納めるまで」の流れに論点を置いて学ぶと整理しやすい科目です。
第60回通関士試験では、関税法等は100分・60点・28問です。出題範囲は、2026年7月1日現在で施行されている法律、政令、省令、告示、通達。選択式49点(17問)と択一式11点(11問)で構成されます。
この記事では、公式の出題条件を確認したうえで、学ぶ順番、10の主要論点、過去問の使い方を整理します。初学者は全体像から、学習済みの人は誤答が多い論点から読み進めてください。
第60回の関税法等は100分・60点・28問
| 確認項目 | 第60回の内容 |
|---|---|
| 試験時間 | 11時00分〜12時40分(100分) |
| 選択式 | 49点・17問 |
| 択一式 | 11点・11問 |
| 合計 | 60点・28問 |
| 法令基準日 | 2026年7月1日現在で施行されている法令・告示・通達 |
| 解答方式 | 筆記・マークシート方式 |
第60回は、関税法等の出題数と配点が第59回から変わっています。古い教材や過去問だけで学ぶ場合は、現行の構成と法令基準日を第60回通関士試験受験案内で照合してください。
受験案内は、3科目すべてで合格基準を満たす必要があるとしています。ただし、関税法等の合格基準を事前に固定の割合として示してはいません。「必ず60%」などと決めつけず、各科目で失点原因を減らす準備が必要です。
関税法等で学ぶ法律の全体像
科目名は「関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法(同法第6章に係る部分に限る。)」です。法律だけでなく、それぞれに基づく政令、省令、告示、通達も出題範囲に含まれます。
| 学習ブロック | 中心となる役割 | 主な確認先 |
|---|---|---|
| 関税法 | 輸出入申告、保税地域、関税の確定・納付、税関手続 | 関税法 |
| 関税定率法 | 関税率、課税価格、減免税・戻し税 | 関税定率法 |
| 関税暫定措置法など | 暫定税率、特恵関税などの特例 | 受験年度の法令・教材 |
| 外為法第6章 | 輸出入の許可・承認など貿易管理 | 外国為替及び外国貿易法 |
| 関係政省令・告示・通達 | 法律を実際に適用するための詳細 | 税関・e-Govの現行資料 |
第60回の受験案内では、関税法等の科目で、出題範囲として掲げる法令・告示・通達以外の条約等(TIR条約、経済連携協定等)は出題範囲に含まれないとされています。教材の説明範囲と試験範囲を混同しないようにしてください。
関税法等を学ぶ4段階
1. 輸入手続の流れを1本につなぐ
最初は細かな期間や例外を覚える前に、次の流れをつかみます。
- 貨物が到着し、保税地域へ置かれる
- 輸入申告に必要な法令・品目・価格を確認する
- 課税物件の確定時期、適用法令、納税義務者を特定する
- 課税価格と税率を確認し、税額を計算する
- 申告、審査、納付を経て輸入許可を受ける
- 誤りがあれば修正申告・更正の請求等を検討する
論点を手続の位置へ置けるようになると、「いつ」「誰が」「何を基準に」判断する規定かを区別しやすくなります。
2. 主体・時点・場所・効果で対比する
| 比較軸 | 確認する質問 |
|---|---|
| 主体 | 輸入者、貨物の管理者、通関業者、税関長など誰の規定か |
| 時点 | 申告時、許可時、搬入時など、いつ成立・確定するか |
| 場所・貨物 | 保税地域の種類や貨物の状態によって扱いが変わるか |
| 原則と例外 | 原則の要件と、例外が適用される条件は何か |
| 効果・期間 | 納税義務、許可、減免税、請求期限など何が生じるか |
数字だけをカード化すると、別制度の期間と入れ替わりやすくなります。「誰が・何を・いつから・いつまでに」の一文で再現してください。
3. 過去問は誤りの根拠まで戻る
1周目は正誤だけで終えず、誤った選択肢のどの語句を直せば正しいかを記録します。主体、時点、場所、数字、原則と例外のどこで間違えたかも分類してください。
第59回の公式問題・正答は税関サイトで確認できます。ただし、第60回は問題数・配点が変わり、法令基準日も異なります。過去問で問われ方を学び、最終的な正誤は第60回の基準日に合う法令・最新版教材で確認しましょう。
4. 100分で28問を処理する練習をする
知識が固まったら、第60回の構成に合わせて100分の演習枠を作ります。選択式は、複数の空欄や選択肢をまとめて判断する形式を含むため、1か所で止まり続けないことが大切です。
- 確実に判断できる問題から解く
- 迷った問題に印を付け、最後に戻る
- 問題用紙と答案用紙の番号ずれを確認する
- 演習後は得点だけでなく誤答原因を集計する
具体的な分数配分は得意不得意で変わるため、全員共通の正解はありません。演習ごとに最初の1周と見直しにかかった時間を記録し、自分の配分を決めます。
主要10論点の学習順
次の10記事は、関税法等の全範囲を代替するものではありません。全体教材と過去問を軸にし、誤答が出た論点の整理に使ってください。
| 順番 | 論点 | 最初に区別すること |
|---|---|---|
| 1 | 課税物件の確定の時期 | 原則と貨物別の例外 |
| 2 | 納税義務者 | 原則的な輸入者と特別な場合の義務者 |
| 3 | 保税地域 | 5種類、許可・指定、蔵置期間 |
| 4 | 関税の確定・納付・徴収 | 申告納税方式と賦課課税方式 |
| 5 | 修正申告と更正の請求 | 不足税額と過大な税額への手続 |
| 6 | 減税・免税・戻し税 | 要件、手続時期、用途・貨物条件 |
| 7 | 輸入してはならない貨物 | 貨物の区分と税関の手続 |
| 8 | 特恵関税 | 対象国・貨物・原産地要件 |
| 9 | 不服申立て | 手続、申立先、期間 |
| 10 | AEO制度 | 認定事業者ごとの特例 |
関税法等でよくある質問
条文をすべて丸暗記する必要はありますか?
最初から全文を丸暗記する必要はありません。まず輸入手続の流れと主要制度を理解し、過去問で問われた条文へ戻ります。その後、数字、例外、主体など正確さが必要な部分を反復すると、誤答原因を特定しやすくなります。
過去問は何年分やれば十分ですか?
税関は必要年数の公式基準を示していません。まず直近回を解き、誤答が多い論点を条文別に補強してください。古い回へ広げる場合も、問題年度と現行法令を分けて記録します。
関税法等だけ60%取れば合格できますか?
第60回受験案内は、3科目すべてで合格基準を満たす必要があるとしていますが、各科目の基準を事前に固定割合として公表していません。関税法等だけの点数で合格が決まるわけではないため、3科目を並行して準備しましょう。
10記事だけで試験範囲を網羅できますか?
できません。10記事は主要論点を整理する補助教材です。出題範囲は関係政省令・告示・通達まで含むため、最新版の全体教材、現行法令、公式過去問を組み合わせてください。
まとめ:流れ、対比、過去問の順で進める
第60回の関税法等は100分・60点・28問で、2026年7月1日現在の法令・告示・通達が出題範囲です。最初に輸入手続の流れをつかみ、主体・時点・場所・効果を対比し、公式過去問で誤答原因を確認してください。
初学者は課税物件の確定の時期から始め、納税義務者、保税地域、関税の確定・納付へ進むと制度をつなげやすくなります。
次に使う学習手段を選ぶ
条文と過去問を自分で往復できる人は、教材の組み合わせを確認しましょう。講義で全体像をつかみたい人や質問対応が必要な人は、通信講座の対応範囲を同じ条件で比較できます。


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