通関士試験の法改正対策は、ニュースを広く追うことではありません。最初に受験年度の案内で法令基準日と出題範囲を確定し、その日までに施行された改正だけを、税関・財務省の資料と受験年度対応教材で確認します。
第60回(2026年)の出題範囲は、法律だけでなく関係政令、省令、告示、通達を含み、2026年7月1日現在で施行されているものです。公布済みでも7月1日時点で未施行の規定は、第60回の範囲には入りません。
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第60回でまず確認すること
- 法令基準日:2026年7月1日
- 試験日:2026年10月4日
- 2026年度関税改正は、施行日ごとに範囲内・範囲外を分ける
- 改正点が必ず出題されるとは断定せず、現行ルールとして理解する
この記事では、2026年7月28日に財務省・税関の第60回受験案内、法律等改正、令和8年度関税改正資料を確認し、追う範囲、今年の具体例、教材と過去問の補正手順を整理します。
通関士試験の法改正は「7月1日に施行済みか」で分ける
第60回通関士試験受験案内は、出題範囲を法律と、その法律に基づく関係政令、省令、告示、通達とし、2026年7月1日現在で施行されているものと定めています。
| 改正の状態 | 第60回での扱い | 学習上の判断 |
|---|---|---|
| 2026年7月1日までに施行 | 出題範囲に含まれる | 現行教材の追補、新旧対照表、公式概要で確認する |
| 公布済みだが施行は7月2日以降 | 第60回の出題範囲には含まれない | 将来改正として区別し、今年の正誤判断へ混ぜない |
| 改正方針・審議中・法律案の段階 | 施行済み法令ではない | 受験年度の現行ルールとして暗記しない |
基準日は「改正法が成立・公布された日」ではなく、規定が効力を持つ施行日で判断します。一つの改正法でも項目ごとに施行日が異なる場合があるため、法律名だけで範囲内と決めないことが重要です。
また、受験案内では通関業法と関税法等の科目について、列挙された法令・告示・通達以外の条約等(TIR条約や経済連携協定等)は出題範囲に含めないとしています。ニュースで見た通商テーマを無制限に広げる必要はありません。
第60回で確認したい2026年度関税改正
税関「法律等改正」によると、関税定率法等の一部を改正する法律(令和8年法律第5号)は2026年3月31日に成立・公布され、原則として4月1日に施行されました。ただし、一部項目は別の施行日です。
| 主な項目 | 施行日 | 第60回との関係 |
|---|---|---|
| 暫定税率等の期限延長・税率見直し | 2026年4月1日 | 7月1日までに施行済み |
| 保税業者の業務改善命令、保税業務規則、搬出時の確認義務など | 2026年6月1日 | 7月1日までに施行済み |
| 不当廉売関税の迂回防止制度 | 2026年4月1日 | 7月1日までに施行済み |
| 個人使用貨物の課税価格を海外小売価格の6割とする特例の廃止 | 2028年4月1日 | 第60回の範囲外。現行制度と混同しない |
| 関税の犯則調査手続のデジタル化 | 2027年10月1日 | 第60回の範囲外 |
この表は「出題予想」ではなく、施行日による範囲整理です。税関や財務省は、どの改正項目を試験に出すかを事前に公表していません。範囲内の改正は現行法として確認しますが、「改正点だから必ず出る」「ここだけ覚えればよい」とは判断しないでください。
2026年6月施行の保税関係改正
税関「令和8年度関税改正(保税関係)」は、主な改正として次の4点を案内しています。
- 保税業者に対する業務改善命令:法令の実施確保に必要な限度で、税関が業務改善に必要な措置を命じられる制度
- 保税業務規則の法定化:法令遵守に必要な業務手順・体制を規則として定める義務
- 貨物搬出時の確認義務:必要な許可、承認、届出があることを確認する義務
- 搬入停止・許可取消処分等の見直し:業務改善命令違反を処分対象へ追加するなどの改正
まず制度の目的、誰に義務があるか、税関が何を命じられるかを整理し、その後に条文番号や要件を教材の追補で確認すると、用語だけの丸暗記を避けられます。
法改正情報を確認する4ステップ
1. 受験案内で基準日と法令範囲を確定する
最初に税関「第60回通関士試験」から受験案内を開きます。前年の案内や教材の説明ではなく、自分が受験する回の案内を基準にしてください。
2. 財務省・税関の改正概要で施行日を分ける
財務省「毎年度の関税改正」と税関の法律等改正ページで、法律の概要、施行日、新旧対照表を確認します。概要は全体像、施行日は範囲判定、新旧対照表は変更箇所の確認に使います。
3. 教材の追補・正誤表で試験用の差分へ絞る
条文を最初から読み比べる前に、使用中の出版社や通信講座が出している追補、法改正情報、正誤表を確認します。教材名、版、発行年が自分の手元のものと一致するかを確かめ、別版の追補を混ぜないでください。
教材を買い替えるか迷う場合は、通関士テキストの選び方で、受験年度対応、正誤表、解説の役割を確認できます。
4. 条文・通達で判断根拠を確認する
教材の説明だけでは正誤判断ができない場合に、e-Gov法令検索や税関の通達等へ戻ります。確認するのは、主体、要件、期限、例外、許可・承認・届出の違いです。条文全文を写すのではなく、問題を判断するための差分だけを記録します。
公式情報源の役割を混同しない
| 情報源 | 確認できること | 注意点 |
|---|---|---|
| 受験年度の受験案内 | 法令基準日、科目、出題範囲 | 最優先。前年版を流用しない |
| 財務省・税関の改正概要 | 改正の背景、主な項目、施行日 | 出題予想資料ではない |
| 新旧対照表・e-Gov・通達 | 条文や運用の正確な差分 | 量が多いため、教材で論点を絞ってから使う |
| 出版社・通信講座の追補 | 受験学習向けの要点整理 | 版・年度・更新日を確認し、公式資料で裏付ける |
| SNS・個人の解説 | 気づきや理解の補助 | 範囲・施行日・条文の最終根拠にしない |
実行関税率表や輸出統計品目表は実務上の重要資料ですが、試験対策では受験案内、問題に付属する資料、受験年度対応教材の指示を優先します。ウェブ上の最新表をそのまま過去問へ当てはめると、出題当時の条件とずれることがあります。
古いテキスト・過去問を使うときの補正方法
古い教材を使うこと自体が直ちに誤りではありません。ただし、法改正前の選択肢を現行法の感覚だけで採点すると混乱します。次の順番で補正してください。
- 問題の実施年度と、その回の法令基準日を確認する
- 当時の公式正答で、まず出題時点の判断を理解する
- 受験年度対応教材の追補で、現在変わった箇所を確認する
- 選択肢の余白に「現行では変更」と短く記録する
- 同じ改正論点を現行法対応の問題で解き直す
過去問の年度数や周回数を増やす前に、法改正で答えが変わる問題を区別できる状態を作ります。具体的な復習手順は通関士の過去問戦略で解説しています。
法改正ノートは「変更前・変更後・施行日」だけに絞る
法改正資料をそのまま印刷して終わるのではなく、一つの論点を次の4項目で整理します。
- 変更前:以前は誰が、どの条件で、何をしていたか
- 変更後:主体、要件、期限、処分がどう変わったか
- 施行日:受験年度の基準日までに施行済みか
- 問題での見分け方:誤りになりやすい語句や例外は何か
ノートを増やすことより、改正前の選択肢を見たときに「どの条件が現行と違うか」を説明できることが目的です。通信講座の法改正講義や質問制度が必要か迷う方は、通関士通信講座の比較でサポート内容を確認してください。
法改正対策で避けたい3つの誤り
改正された項目は必ず出ると考える
施行済み改正が範囲に含まれることと、実際に出題されることは別です。法改正だけへ学習を偏らせず、3科目の基礎、計算、申告書、過去問演習を継続してください。
成立・公布と施行を同じ意味で扱う
法律が成立・公布されても、施行日が翌年以降なら今年の範囲には入りません。2026年度改正でも、保税関係は2026年6月、個人使用貨物の課税価格特例廃止は2028年4月と施行日が分かれています。
検索結果やSNSだけで現行ルールを決める
検索結果には法律案、施行前の解説、過年度情報が混在します。日付と一次資料まで開き、受験案内、財務省・税関、教材追補の順に確認してください。
よくある質問
7月2日以降に施行された改正は勉強しなくてよいですか?
第60回については、7月1日現在で施行されている法令等が範囲です。7月2日以降に施行された規定は、第60回の正誤判断へ混ぜないでください。ただし、翌年度以降の受験や実務では必要になるため、今年の範囲外と区別して保管するのは有用です。
前年版テキストだけでも対策できますか?
出版社の追補・正誤表で受験年度の差分を補える場合はあります。ただし、追補の対象版が一致すること、改正範囲が漏れていないこと、演習問題が現行法へ対応していることを確認してください。差分が広い、追補がない、判断に迷う問題が多い場合は受験年度対応版へ切り替えます。
法改正は何点分出ますか?
財務省・税関は、法改正に由来する問題数や配点を事前に公表していません。固定点数を見込まず、改正事項を現行法の一部として理解し、科目全体の弱点と合わせて対策してください。
まとめ:基準日、施行日、差分の順で確認する
- 第60回の法令基準日は2026年7月1日
- 法律、政令、省令、告示、通達のうち、基準日までに施行済みのものが範囲
- 成立日・公布日ではなく、項目ごとの施行日で分ける
- 2026年6月施行の保税関係改正は範囲内、2028年4月施行の課税価格特例廃止は範囲外
- 公式資料で範囲を決め、教材の追補で差分を絞り、過去問で判断できるか確認する
最初に手元の教材の発行年・版を確認し、出版社の追補または正誤表を開いてください。次に第60回受験案内の基準日と照らし、施行済みの差分だけを学習計画へ追加すれば、情報収集を広げすぎずに対策できます。
公式情報確認日:2026年7月28日。受験前には、財務省・税関の受験案内、法律等改正、使用教材の追補・正誤表を再確認してください。


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